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【文例あり】取締役会議事録とは?記載内容や書き方のポイントを解説

【文例あり】取締役会議事録とは?記載内容や書き方のポイントを解説

企業によって取締役会の頻度・回数は異なるものの、基本的に3か月に1回以上、つまり年4回以上は開催することが定められています。取締役会が開催された際には、「取締役会議事録」を作成しなければなりません。

また、取締役会議事録は一般的な会議の議事録とは異なり、法定文書となります。企業による正式な意思決定を示す重要書類となるため、中小企業であっても適当に作成するのはNGです。

当記事では、取締役会議事録の概要から記載内容と書き方のポイント、さらに取締役会議事録の文例を詳しく紹介します。定期的に作成が義務付けられる取締役会議事録を正しく、かつスムーズに作成するためにも、ぜひ参考にしてください。

1.取締役会議事録とは

取締役会議事録とは、取締役会が開催された際に作成が義務付けられている法定文書です。

第三百六十九条
3 取締役会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成し、議事録が書面をもって作成されているときは、出席した取締役及び監査役は、これに署名し、又は記名押印しなければならない。

第三百七十一条 取締役会設置会社は、取締役会の日(前条の規定により取締役会の決議があったものとみなされた日を含む。)から十年間、第三百六十九条第三項の議事録又は前条の意思表示を記載し、若しくは記録した書面若しくは電磁的記録(以下この条において「議事録等」という。)をその本店に備え置かなければならない。

引用:e-Gov法令検索「会社法」/引用日2023/9/23

取締役会議事録についての理解度を深めるためには、「議事録」がどういったものなのかも深く理解しておかなければなりません。

議事録とは、あらゆる会議や打ち合わせにて議論された内容・取り決めの記録です。会議参加者のほか関係者との共有や責任の所在の明確化、さらに「言った言わない」の水掛け論の発生防止を目的に作成されます。

議事録の一種となる取締役会議事録も同様の目的で作成されることに変わりはないものの、取締役会議事録は会社法によって「取締役会を行った際は必ず作成しなければならない」と定められています。

1-1.取締役会議事録の作成が必要な理由

取締役会議事録を作成しなければならない理由には、具体的に下記の3つが挙げられます。

●議事録を作成しなければ処罰を受けるため

取締役会議事録は、開催される取締役会ごとに作成が義務付けられています。万が一取締役会が開催されても作成しなかったり、記載すべき項目をきちんと記載していなかったりした場合は、会社法976条によって取締役等に100万円以下の過料が科されることに注意が必要です。

第九百七十六条
発起人、設立時取締役、設立時監査役、設立時執行役、取締役、会計参与若しくはその職務を行うべき社員、監査役、執行役、会計監査人若しくはその職務を行うべき社員、清算人、清算人代理、持分会社の業務を執行する社員、民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された取締役、監査役、執行役、清算人若しくは持分会社の業務を執行する社員の職務を代行する者、第九百六十条第一項第五号に規定する一時取締役、会計参与、監査役、代表取締役、委員、執行役若しくは代表執行役の職務を行うべき者、同条第二項第三号に規定する一時清算人若しくは代表清算人の職務を行うべき者、第九百六十七条第一項第三号に規定する一時会計監査人の職務を行うべき者、検査役、監督委員、調査委員、株主名簿管理人、社債原簿管理人、社債管理者、事務を承継する社債管理者、社債管理補助者、事務を承継する社債管理補助者、代表社債権者、決議執行者、外国会社の日本における代表者又は支配人は、次のいずれかに該当する場合には、百万円以下の過料に処する。ただし、その行為について刑を科すべきときは、この限りでない。

引用:e-Gov法令検索「会社法」/引用日2023/9/23

●合意形成の記録を取り紛争を予防し、承継の円滑化をするため

取締役会議事録にて正確な合意形成を記録することで、取締役会参加者の認識の齟齬をなくすことができ、結果として余計な紛争の予防につながります。加えて、過去の合意形成の記録(経緯・決議結果など)は、事業承継を円滑に進めるための重要な経営資料にもなります。

●株主の権利を守り情報を開示するため

取締役会議事録は、取締役会の開催日から10年間、会社の本店に備え置かなければなりません。とは言え、過去の取締役会議事録を閲覧できる対象者は株主・債権者・親会社の社員の3者のみと定められています。加えて、これら3者であってもすぐに閲覧できるわけではありません。

しかし、株主および債権者に限っては、権利を行使する必要がある場合にのみ会社の営業時間内に取締役会議事録の閲覧または謄写の請求を行うことが可能です。このように、企業に深くかかわるステークホルダーの権利を守り、重要な情報を正式な書面で開示できるようにするためにも、取締役会議事録の作成は必要と言えるでしょう。

第三百七十一条
2 株主は、その権利を行使するため必要があるときは、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。
一 前項の議事録等が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求
二 前項の議事録等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求

引用:e-Gov法令検索「会社法」/引用日2023/9/23

1-2.議事録は誰がいつまでに作成すべき?

会社法上において、取締役会議事録の作成者や作成期限に明確な決まりはありません。

しかし、基本的には取締役会の議長が作成することとなります。取締役会の議長は、代表取締役となるケースが多いでしょう。とは言え、取締役会の議長である代表取締役本人がすべて作成する必要はなく、他人に作成してもらった上で記載内容をチェックし、印鑑を押す形でも問題はありません。

前述の通り、取締役会議事録において作成期限の規定はないため、極端に言うと1回目の取締役会が終了し、2回目の取締役会の開催直前に作成しても過料は科されません。しかし、取締役会の決議内容を忠実に記録するためにも、取締役会の終了後に遅滞なく作成することが望ましいでしょう。

1-3.議事録の一般的な形式

取締役会議事録の一般的な形式は、紙媒体・デジタルデータ(電子文書)の2種類があります。従って、印刷したフォーマット用紙に手書きで書いても、パソコン上で文字を打って電子議事録を作成しても問題はありません。とは言え、管理しやすくするためにもいずれか一方の形式に統一したほうがよいでしょう。

また、紙・デジタルデータのいずれであっても、取締役会に出席した代表取締役および監査役によって署名・捺印する必要があります。従来までは自筆の署名・捺印が求められていましたが、2020年に電子署名の条件が緩和されたことにより、取締役会議事録の電子署名活用も認められるようになりました。

デジタルデータで取締役会議事録を作成し、クラウド上で署名ができれば、リモートでの記名捺印ができるだけでなく、送付漏れといったミスも軽減させられるでしょう。実際に、業務の効率化・円滑化を目的に、取締役会議事録のほか株主総会議事録やその他会議にて電子ファイルとクラウド型電子署名サービスを導入するケースが非常に増加しています。

2.取締役会議事録に記載する内容と書き方のポイント

取締役会議事録にて記載が定められている項目は、下記の通りです。

  • 開催日時
  • 開催場所
  • 出席した取締役および監査役の名前と総数
  • 出席した会計参与、執行役、会計監査人、株主の名前
  • 議事の内容に利害関係を有する取締役がいる場合その名前
  • 議長の名前
  • 特別取締役による取締役会の場合はその旨
  • 特別の招集にあたる取締役会の場合はその旨
  • 議事の要領および結果

参考:e-Gov法令検索「会社法施行規則」

まず記載しなければならないのが、取締役会開催日時・場所と出席した取締役全員・監査役全員の名前です。加えて、誰が議事録を作成したのかも明確に記載しておく必要があります。

議事の要領および結果においては、各取締役からの報告事項・発言内容や、取締役会における決議事項の表題・決議結果について具体的に記載します。会社法によって定められた決議事項に関する取締役会決議が行われた場合は、必ずその結果について記載しなければなりません。

これらの項目が正確に記載されていなかった場合、訂正が求められる可能性があります。訂正リスクをできる限り軽減させるために、リーガルチェックを行う企業も多く存在します。

3.取締役会議事録の文例

取締役会議事録を正確に作成するためには、実際の文書・文例を参考にすることも一案です。下記に、取締役会議事録の文例を紹介します。

〇〇株式会社 取締役会 議事録

開催日時 20XX(令和Y)年M月D日 X時X分~X時X分
開催場所 〇〇株式会社 当社本店会議室
取締役総数 3名(出席取締役3名)
監査役総数 1名(出席監査役1名)
出席取締役 田中一郎(議長・議事録作成者兼任)
佐藤次郎
鈴木花子
出席監査役 高橋三郎

なお、取締役佐藤次郎はWeb会議システムを用いて出席した。

以上の通り取締役および監査役が出席したため、当会社の代表取締役である田中一郎が議長に就任し、取締役会の開催を宣言した。

会議の決議事項

第1号議案 〇〇〇〇の件について
取締役XXXより、~~~~~~~~~~~~~~~という旨の提案があった。決議の結果、取締役会はこれを可決した。

第2号議案 〇〇〇〇の件について
議長より、~~~~~~~~~~~~~~~という旨の提案があった。また、取締役である鈴木花子からは、~~~~~~~~~という旨の説明があった。
決議の結果、取締役会はこれを可決した。なお、鈴木花子は、本決議について特別利害関係を有するため、議決に参加しなかった。

以上をもって本日の議事を終了したので、議長は閉会を宣言し、X時X分に解散した。
議事の経過および結果を明確にするため、会社法第369条第3項に沿って議長が議事録を作成し、出席取締役・出席監査役の全員が記名、および署名もしくは捺印する。

20XX(令和Y)年M月D日

議長兼議事録作成者 田中一郎 署名・印
出席取締役 佐藤次郎 署名・印
出席取締役 鈴木花子 署名・印
出席監査役 高橋三郎 署名・印

上記は取締役会が実開催される場合の記載例であり、リモート開催の場合は参加者の出席方法や意見表明が双方にできる仕組みであると確認した旨などを追記しなければなりません。また、「みなし決議」とも呼ばれる書面決議の場合においても、みなし事項の内容や日付などの事項を記載する必要があります。

このように、取締役会議事録は決議内容のほか、状況によっても記載事項は大きく異なります。なるべくスムーズに作成したいのであれば、あらゆる状況に対応するひな形・フォーマットをあらかじめ作成しておくとよいでしょう。

まとめ

取締役会議事録とは、取締役会が行われた際に作成する議事録です。会社法によって作成が義務付けられており、合意形成の記録・紛争防止・承継の円滑化につながる重要な法定文書となります。

取締役会議事録には、開催日時・場所や出席者はもちろん、取締役の発現や決議事項についても詳しく記載しなければなりません。各出席者の発言内容を正しく記録するためには、音声認識による文字起こしツール導入が最もおすすめです。

スタンドアローン型文字起こしツール「AmiVoice® ScribeAssist」は、高度な音声認識技術によって、リアルタイムで議事録を自動作成できます。音声認識からテキスト化、編集、要約までワンストップで実現でき、議事録作成の時間と手間が大幅に削減します。ここまでの内容を参考に、ぜひ取締役会議事録に「AmiVoice® ScribeAssist」の活用をご検討ください。

AmiVoice ScribeAssist|音声認識による自動議事録作成

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