トップメッセージ

キカイと人が親友になる日がくる。

 キカイと人が自然な会話をする。それは今まで、映画や物語の世界の話でした。しかし、私たちが現在取り組んでいる音声認識技術の世界では、キカイと人の感情を察した対話ができる世界が垣間見られます。法律相談や健康相談をキカイが対応してくれたり、自動車が話しかけてくれる、そんな映画のような話が現実味を帯びてきています。

 実は音声認識技術は1950年代に生まれていました。
 最初は、単語の認識ができる第一世代。この世代の技術は日進月歩。その流れの中で、1990年代初めに提案された統計グラマーによって言葉の連続認識ができるようになり、音声をテキスト化できる第二世代が始まりました。しかし、あらかじめ発話者の事前学習が必要であったり、話す速度の変化、やイントネーション、アクセントの違いといった発話のゆらぎに起因する問題などがあり、普及するには大きな壁がありました。
 それは、人がコンピュータが認識しやすい発声をしなければならないという壁です。気軽に安心して話すという「キカイに向かってしゃべる文化」を創生するための、もっとも根源的な部分が実現できなかったからです。

会社設立の思い

 当社の音声認識技術を共同開発したのは、カーネギーメロン大学をスピンオフした開発チームです。1998年初め、共同開発プロジェクトを成立させました。彼らは国防総省が主催して毎年行われる音声認識のコンペティションで、1996年、97年の2年連続首位という偉業を成し遂げていたのです。当時すでに、17カ国の大規模語彙連続音声認識エンジンを開発しており、日本語バージョンを自ら体験した時、その認識の精度とスピードに、驚きを超えてある種の感動を覚えたのを思い出します。その出会いがきっかけとなり、日本での市場を自ら作り上げようと、1997年12月にアドバンスト・メディアを設立しました。

 子供からお年寄り、男女、話すスピード、イントネーションやアクセントの変化、雑音の多い場所・・・。そんな多様な条件でも、実用レベルの正確さで言葉を認識できる。それが、「AmiVoice」の凄さです。私たちは、設立当初から大手メーカーからの出資を受けて製品開発を共同で行う事業戦略をとってきました。設立の翌年1998年には20社のコンソーシアムを結成。ベータ版を無償で提供して改良を重ね、2000年7月に正式リリースを行いました。現在、顧客数は5000社を超え、幅広い業種で多数の製品開発や活発な利用が行われています。

音声認識技術のロードマップ図

アドバンスト・メディアのこれから

 さて、今までの話をお読みになって、「夢のある仕事だ」、「面白そうだ」と思っていただけた方は、ぜひお会いしましょう。私たちは、「モノ」ではなく「価値」を創っていく集団です。「価値」とは、ユーザーが決めるもので、「価値」により導入が始まり、その継続によりなくてはならない存在となります。
 Joyful(楽しい)とUseful(便利)で利用が始まり、利用の継続で“Indispensable”(なくてはならない)となっていきます。(“JUI”による市場化)

 従って、私たちのビジネスは既存の市場に「在るモノを売る」のではなく、既存の市場に「無いモノを売る」。無いモノの認知こそ、価値創造の出発点であり、ここから非常に楽しい世界が始まります。クライアントやユーザーと一緒になり、役に立つ、不可欠なモノやサービスにしていきます。だから、皆様に求めるのは創造性、明確なイメージ、そして提案力です。たとえ24時間一生懸命働いても価値は生み出せないし、木を見て森を見ないのもダメです。
 私は会社を「組織を意識した個人プレー集団」にしたい。個人が自律的に動くことで自然に組織の目的が叶う集団です。色々な分野のコア技術を有する企業とパートナーシップを組み、新しいサービスを生み出していくのが当社に与えられたミッションです。ジョイントベンチャーを立ち上げ、運営する社員がどんどん出てきても良いと思います。

 私はこのビジネスを音声認識の知能化による高価値ビジネスと考えています。これは人とキカイが自然なコミュニケーションを行えるHCI (Human Communication Integration)の実現の過程で顕在化するものです。
 一緒に未来の高価値ビジネスを創造したい方は、是非私に会いに来てください。