導入の背景:医師だけでなく“病院全体”の働き方改革へ
医師の働き方改革に伴うタスクシフトでは、業務を引き受けると期待されるメディカルスタッフも残業が多く、受け入れに余裕がないため、病院全体で働き方改革を進め、看護師を含む多職種の業務効率化を図る必要がありました。また、患者さんの処置やケアを行いながら情報を記憶することには限界がありました。他の患者さんへ対応すると記録までにタイムラグが発生するため、正確でタイムリーな記録を行うためにも、看護業務そのものの効率化が急務となっていました。こうした状況を改善するため、AmiVoice iNoteによる音声入力を導入しました。
スマホ1台で“どこでも記録”が可能に
従来はパソコンの前でしか行えなかった記録業務が、AmiVoiceを活用することで病室のベッドサイドでも実施可能になりました。患者を見守りながら記録できるため、予期せぬ行動にもすぐ対応でき、身体抑制の件数も減少しました。
患者の前で音声入力を行うことについても、事前説明により概ねスムーズに受け入れられました。
病院では、台数が限られていたPCの代わりに、AmiVoice搭載スマートフォンを 全病室に1台ずつ+ナースステーションに4台を設置しました。
また、音声入力だけでなく、手入力、テンプレート活用、画像・動画記録も組み合わせることで、いつでも・どこでも情報収集と記録が可能となり、記憶に頼らない正確な記録に繋がりました。指示簿や院内マニュアルの閲覧もできるため、スマートフォン1台でできることが増えました。
導入効果:パソコン入力が半分以下に。申し送り時間の短縮・簡素化
看護記録の効率化の結果、2週間の平均残業時間が3分の1に減少しました。これにより、有給取得率が6%向上。休みたくても休めない医療関係者の厳しい労働状況が繰り返し報道されてきたコロナ禍において、有給取得の向上は特質すべきことだと思います。紙の印刷物の削減や、新型コロナ禍で課題となっていたゾーン間移動も少なくなり、有休取得率の向上にも寄与しました。また、防護具の着脱回数や印刷物削減に伴い、関連コストも低減しました。

また、申し送り項目の標準化とテンプレート化により、必要な情報をベッドサイドで入力完了できるようになりました。次の勤務帯のスタッフはスマホ上で内容を確認するだけで共有が完了するため、これまで約1時間かかっていた口頭申し送りが不要となり、患者対応時間が増加しました。
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※取材時の病院名:社会医療法人柏葉会 柏葉脳神経外科病院





