検査業務の効率化・ペーパーレス化が課題
大和ハウス工業では従来、検査をしながら紙の帳票に手書きで指摘事項を記載した後、事務所に戻ってから協力会社ごとに図面のコピーやマーキング、FAXでの是正指示を行っていました。
検査をしながら指摘事項の記入を行うと作業が煩雑になりがちなうえ、事務所で見返した際に判読できない、指摘場所が分からない、臨時応援職員の場合は指摘事項に適した協力会社の判断がつかないなどの課題もありました。
検査にかかる膨大な時間や労力、印刷代などのコストを削減し、検査業務全体の効率化を図るため、ITツール活用の検討を開始しました。
社内の業務改善コンクールで優秀賞を受賞
そのような中、2021年に設計・施工などを含む全ての技術系業務を対象とした業務改善コンクールが全社的に開催されました。コンクールの中で検査業務における「AmiVoice スーパーインスペクションプラットフォーム(以下、SIP)」の活用について発表したところ、業務プロセス改善部門において優秀賞を受賞しました。
「SIP」は検査中の指摘事項を音声入力で登録できるため、手書きよりも速く記録でき、建設現場特有の専門用語もスムーズにテキスト化します。また、指摘事項の内容に合わせて事前に登録した協力会社を自動的に振り分け・入力してくれるため、臨時応援職員でもスムーズに対応でき、業者振り分け作業を大幅に効率化することが可能です。是正の完了・未完了も一目で分かるため、進捗管理もしやすくなります。これらの導入メリットを踏まえ、共同住宅40戸(1K)の検査で「SIP」を使用した場合、約50時間の労働時間短縮につながる想定です。
「SIP」の扱いに長けた人材派遣が最大の魅力
現在は、当社が施工する中高層の建物のほぼ全ての仕上げ検査において、「SIP」を利用しています。
アドバンスト・メディアのサービスは、アプリケーションの提供だけではなく、検査員を派遣してもらえる点も大きな魅力です。「SIP」の操作に慣れた人材が派遣されるため、事前のレクチャーなどはほとんど必要なく、当社の従業員は協力会社とのコミュニケーションなどに集中することができるようになりました。
また、検査時の携行品(図面、筆記用具、カメラなど)がiPadだけで済むようになったことや、協力会社ごとに図面をコピー・FAXする必要がなくなったことで、業務のスマート化・ペーパーレス化も進みました。


専用カスタマイズで機密性が向上
本格導入に際し、アプリケーションのカスタマイズを依頼しました。「SIP」上で扱う図面や検査記録などのデータが社内のネットワーク外に出ない設定にしたことで、機密性・セキュリティの面でも当社の要件をクリアし、安心して利用できるようになりました。こうした柔軟なカスタマイズ性も「SIP」の長所の1つだと感じています。
人材派遣についても、仕上げ検査以外の作業工程への派遣や、対応範囲の拡充が可能とのことなので、今後もさまざまな場面で「SIP」と「建物品質検査サービス」の利用を検討していきたいです。
ご担当者様

東京本社 ハウジング・ソリューション本部
施工推進部 プロジェクト施工部 中高層第1グループ 主任技術者
井上 知之 様

東京本社 集合住宅事業本部
施工推進部 プロジェクト施工部 中高層第2グループ 主任
藤田 仁 様

東京本社 集合住宅事業本部
施工推進部 プロジェクト施工部 中高層埼玉グループ 主任
関口 陽介 様

東京本社 集合住宅事業本部
施工推進部 プロジェクト施工部 中高層第1グループ 主任
髙橋 裕哉 様





